当事務所においてこれまでに取り扱った主な事件をご紹介します。
- 株主総会決議無効不存在確認
- 新株発行無効確認
- 取締役解任
- 退職慰労金請求または返還請求
- 株式買取請求
- 代表取締役職務代行者就任等
- 会社法に関する訴訟
- 非訟事件
- 顧問会社等に対する株主総会指導
- 会社法、独占禁止法、労働基準法等の各種法規に関するアドバイス
- 契約書のリーガルチェック
- M&A
- 契約書作成
- その他、会社が当事者となる売掛金・損害賠償請求等一般民事事件
なお、当事務所は、建設業、不動産業、製造業、小売業、卸売業、飲食業、運送業、広告業、マンション管理業といった営利を目的とする会社、医療法人、社団法人、動物病院、協同組合、公的団体に至るまで30以上の法人と顧問契約を締結しています。
当事務所は、交通事故の被害者側の人身事故の事件に力を入れています。
1、保険会社基準と裁判基準
交通事故の人身事故において、損害保険会社が被害者に提示する損害賠償額と裁判所で認められる額との間には大きな差があることがほとんどです。
保険会社が被害者に提示する金額の基準を保険会社基準、裁判所で認められる基準を裁判基準と呼ぶことがありますが、保険会社は営利を目的とする企業であり、保険金の支払いをなるべく抑えようとするため、被害者に対しては、低廉な保険会社基準の金額提示に留まることがほとんどです。
被害者の方が、保険会社に対し、裁判基準による支払いを求めても、弁護士を代理人として選任していない被害者に対しては裁判基準まで金額を上げて支払うことが困難であるため、裁判基準まで上乗せしての支払いがされないことがほとんどです。
被害者が弁護士に委任して交渉すると、保険会社は訴訟を提起されることをおそれて、裁判基準まで上乗せして示談に応じることが多く、それでも不当な提示を継続する保険会社に対しては訴訟を提起し、裁判所で正当な金額の損害賠償を求めることができます。
2、当事務所所属弁護士の経験
(1)示談交渉、訴訟の経験
当事務所は、開業してから35年以上が経ちますが、これまで300件以上の交通事故の損害賠償請求事件の依頼を受けて、保険会社と交渉して裁判基準ないし裁判基準に近い形で示談をしたり、場合によっては訴訟を提起して、交通事故事件を解決に導いて参りました。
(2)交通事故紛争処理センターにおける経験
弁護士堀井茂においては、交通事故の紛争処理を目的とする交通事故紛争処理センター(以下「紛セ」という)において、あっせん担当の嘱託弁護士として5年間、審査担当の審査員として約4年間、中立的立場から年間50件以上の交通事故損害賠償請求に関する紛争処理に関与した経験があり、弁護士堀井実においては、平成23年7月から現在に至るまで紛セの嘱託弁護士として同じく年間50件以上の紛争処理に関与しています。
(3)当事務所の弁護士2名は、交通事故の示談交渉、訴訟、紛セにおける経験を通じて、交通事故の損害賠償に関する豊富な知識を有しており、任意保険、自賠責保険のシステムのみならず、保険会社側の事情についても精通しています。
3、事件処理方針
当事務所は、保険会社から依頼のあった加害者側の事件は受任していません。交通事故の人身事件においては、被害者側から依頼を受けた事件のみ受任しています。ですので、加害者が加入する保険会社がどの保険会社であっても、依頼を受けることができます。
交通事故の被害者から相談を受けた場合、まずは保険会社から提示を受けた金額が妥当なのかどうかアドバイスします(もちろん保険会社から提示を受けない段階でもご相談は可能であり、その場合には今後取るべき後遺障害認定取得等の手続に関するアドバイスをします)。
そのうえで、弁護士に依頼して示談交渉、訴訟を行った場合のメリット、デメリットや、リスク、弁護士費用について説明し、被害者の方にご納得をいただいた場合には、依頼を受けて事件を受任します。
事件を受任した場合、まずは代理人として加害者側の保険会社と交渉します。
交渉がまとまらない場合には、訴訟提起することになりますが、加害者側の保険会社からの最終の提示金額と訴訟によることにはメリットがある一方でリスクも存しますので、これらを依頼者の皆様方に丁寧に説明したうえで、訴訟提起し、勝訴判決ないしは勝訴的な和解を目指して、丁寧な主張、立証活動を行っていきます。
4、当事務所の実績
当事務所の所属弁護士は、これまでに大量の交通事故損害賠償請求事件を取り扱ってきましたが、その一部について、ご紹介いたします。
【保険会社との交渉により増額を実現した事例】
(1)弁護士による保険会社との交渉の結果、当初提示額の約2倍に増額を実現した事例(被害者の過失10%)
- 被害者の属性:60代女性(専業主婦)
- 自賠責保険が認定した後遺障害等級:後遺障害等級併合11級(右上肢の変形障害【12級8号】、右手関節の機能障害【12級6号】)
- 保険会社の当初提示額(弁護士介入前):約479万円
- 最終の示談額:約1011万円
- コメント:
保険会社の当初提示額のうち、特に後遺障害部分については、自賠責保険金額の331万円のみと不当に低かったため、後遺障害慰謝料を増額すべきであり、家事労働者としての逸失利益が発生する旨を主張し、当初の提示額から約2倍以上の金額で示談することができました。
(2)弁護士が代理人として保険会社と交渉した結果、当初提示額の約3.5倍に増額した事例(被害者の過失10%)
- 被害者の属性:50代女性(兼業主婦)
- 自賠責保険が認定した後遺障害等級:後遺障害等級併合11級(局部に頑固な神経症状を残すもの【12級13号】、嗅覚脱失【12級相当】)
- 保険会社の当初提示額(弁護士介入後):422万円
- 最終の示談額:1500万円
- コメント:
保険会社の当初提示額のうち、特に後遺障害部分の損害については、自賠責保険金額の331万円のみと不当に低く、休業損害も家事労働分は全く認めない提示であったので、後遺障害慰謝料が増額されるべきであり、家事労働者としての休業損害及び逸失利益が発生する旨を主張し、当初の提示額から約3倍以上の金額で示談することができました。
(3)弁護士が代理人として保険会社と交渉した結果、当初提示額の約2.5倍に増額した事例(被害者の過失10%)
- 被害者の属性:50代女性(専業主婦)
- 自賠責保険が認定した後遺障害等級:後遺障害等級12級6号(左肩関節の機能障害)
- 保険会社の当初提示額:約298万円
- 最終の示談額:約780万円
- コメント:
保険会社の当初提示額のうち、特に後遺障害部分については、自賠責保険金額の224万円のみと不当に低く、休業損害についても1日当たり5700円という低額しか認めていませんでしたが、後遺障害慰謝料が増額されるべきであり、家事労働者としての休業損害及び逸失利益については女性労働者の平均賃金によるべき旨を主張し、当初の提示額から約2.5倍以上増額された金額で示談することができました。
(4)弁護士が代理人として保険会社と交渉した結果、当初提示額の約3.8倍に増額した事例(被害者の過失0%)
- 被害者の属性:50代女性(専業主婦)
- 自賠責保険が認定した後遺障害等級:後遺障害等級12級5号(胸骨の変形障害)
- 保険会社の当初提示額:233万円
- 最終の示談額:900万円
- コメント:
保険会社の担当者は、被害者に対し、後遺障害は認められないであろうと説明し、被害者もその言葉を鵜呑みにして後遺障害の申請をしていませんでしたが、弁護士が受任した後、後遺障害等級の申請を行った結果、自賠責保険により、胸骨の変形障害として12級5号の後遺障害認定を受けました。
保険会社は、後遺障害等級が認められた後も、胸骨の変形障害では逸失利益は生じないと主張して逸失利益の発生を否定する主張を行っていましたが、胸骨の変形障害に伴って胸部に痛みが残存していることを強調した結果、逸失利益も認められ、当初の提示額の約3.8倍に増額された金額で示談することができました。
【後遺障害の異議申立てを行った事例】
(1)自賠責保険の後遺障害認定に対する異議申立てを行い、その結果、
より上位の後遺障害等級が認定された事例(被害者の過失0%)
- 被害者の属性:60代男性(求職中)
- 自賠責保険が当初認定した後遺障害:後遺障害等級併合10級(脊柱に変形を残すもの【11級7号】、局部に頑固な神経症状を残すもの【12級13号】の併合)
- 異議申立ての結果認定された後遺障害:後遺障害等級9級10号(神経系統に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの)
- 最終の示談額:金約2020万円
- コメント:
事故当初から被害者加入の弁護士費用特約を利用し、保険会社との間で示談交渉を行いました。当初の自賠責保険による後遺障害認定では、脊髄の損傷による神経症状であることが認められませんでしたが、弁護士において担当医と面談を行い、脊髄の損傷による神経症状であることの根拠となる検査結果や、医師の意見書等を添付のうえで異議申立てを行ったところ、脊髄の損傷による神経症状であることが認められ、より上位の後遺障害等級(10級→9級)が認定されました。
(2)自賠責保険の後遺障害認定(非該当)に対する異議申立てを行い、その結果、
後遺障害(14級9号)が認定された事例(被害者の過失0%)
- 被害者の属性:20代女性(専業主婦)
- 自賠責保険が当初認定した後遺障害:非該当
- 異議申立ての結果認定された後遺障害:後遺障害等級14級9号
- 後遺障害非該当を前提とする保険会社からの提示額:約104万円
- 最終の示談額:金約295万円
- コメント:
相手方保険会社から被害者に後遺障害は認められないとして、104万円を超えて支払義務が存在しない旨の調停を申し立てられた事案です。自賠責保険が認定した後遺障害は当初非該当でしたが、弁護士が担当医と面談するなどして、被害者に抑うつ等の交通事故に起因する精神障害が残存している旨の主張を行い異議申立てをした結果、後遺障害等級14級9号の後遺障害が認められ、この後遺障害等級を前提に、当初の提示金額から約2.8倍の金額で調停を成立させることができました。
【訴訟提起のうえで解決に至った事例】
(1)自賠責保険が後遺障害該当性を否定した事例について、訴訟を提起し、その結果、裁判所により、
高度の後遺障害(5級相当)が認定され、9000万円の損害賠償を得ることができた事例(被害者の過失5%)
- 被害者の属性:40代女性(兼業主婦)
- 自賠責保険が認定した後遺障害:後遺障害等級12級14号(外貌醜状)
- 裁判所が認定した後遺障害:後遺障害等級5級相当
- 最終の和解金額:約9000万円
- コメント:
被害者は交通事故により頭部を激しく強打し、当初は命も危ぶまれる状況でした。緊急の開頭手術が行われ奇跡的に回復し、意識障害等は残らなかったものの、下肢に麻痺が残り、片足を引きずるようにしか歩けない状態でした。
しかしながら、自賠責保険は、交通事故と下肢の麻痺との因果関係を裏付ける医学的所見が認められないとして、被害者自身が何度異議申立てをしても、下肢の麻痺については後遺障害の該当性を認めませんでした。
当事務所の弁護士が受任後、下肢の麻痺についても後遺障害が認められるべきであるとして訴訟を提起し、保険会社は顧問医の意見書を何通も出してきたため、医学論争となりましたが、権威ある鑑定医を探し出し、その鑑定医に最新の医療機器を使った鑑定を行って貰った結果、下肢の麻痺について、交通事故との因果関係が認められ得る旨の結論が出ました。この結論を前提に、裁判所が、被害者の後遺障害は、後遺障害等級5級相当であるとの判断に基づき、9000万円の損害賠償を認める和解案を提示し、当事者双方がこれを受け入れ、訴訟上の和解を成立しました。
(2)死亡事案において、訴訟を提起し、約2200万円の増額を実現した事例
- 被害者の属性:60代男性(会社員 交通事故により死亡)
- 保険会社の提示額:約4472万円
- 最終の和解金額:約6720万円
- コメント:
交通事故により死亡してしまった男性について、遺族が保険会社の態度やその提示金額に納得できないということで、訴訟提起した事案です。
慰謝料と逸失利益が主たる争点となりましたが、被害者が一家の支柱として稼働し、塗装職人として勤務先から極めて高く評価されていたことから、定年後も年収の減少なく勤務できることを立証した結果、裁判所から当初保険会社から提示された金額を約2200万円上回る額での和解案の提示があり、当事者双方がこれを受け入れ、訴訟上の和解が成立しました